前回の記事で複利の仕組みとその効果を最大限に活かす方法について解説しましたが、今回はさらに詳しく「積み立て期間」が複利にどれほど大きな影響を与えるかを実例をもとに解説します。この記事では、同じ金額を積み立てた5人を比較し、積み立て期間が違うだけでどれだけ結果に差が出るのかを表で示していきます。
1. 複利の効果を実感するためのシミュレーション
今回のシミュレーションでは、次の前提条件で計算を行います。
- 月々の積立額:30,000円
- 年利:5%(複利で運用)
- 積立期間:異なる5人(5年、10年、15年、20年、30年)
これに基づいて、それぞれの積立期間における最終的な資産額を計算し、複利効果の違いを見ていきます。
2. 積み立て期間の違いでどれだけの差が出るか?
以下の表は、5人それぞれが異なる積立期間で同じ金額を積み立てた場合の最終的な資産額です。積立期間が長くなるほど、複利効果が顕著に現れることがわかります。
| 人物 | 積立期間 | 総積立額 (円) | 最終資産額 (円) | 複利による利益 (円) |
|---|---|---|---|---|
| Aさん | 5年 | 1,800,000 | 2,036,537 | 236,537 |
| Bさん | 10年 | 3,600,000 | 4,670,373 | 1,070,373 |
| Cさん | 15年 | 5,400,000 | 7,927,410 | 2,527,410 |
| Dさん | 20年 | 7,200,000 | 11,862,667 | 4,662,667 |
| Eさん | 30年 | 10,800,000 | 23,601,969 | 12,801,969 |
3. シミュレーション結果の解説
この表からわかるように、積立期間が長いほど、複利効果が大きくなります。各人物が積み立てた金額自体は同じですが、運用期間が異なるため、最終的な資産額に大きな差が生まれています。
Aさん(積立期間5年)
Aさんは5年間で180万円を積み立てましたが、複利の効果はあまり大きく感じられません。5年間では運用期間が短いため、元本に対しての利益が少ないのが特徴です。最終的な資産は約203万円となり、利益は約24万円です。
Bさん(積立期間10年)
Bさんは10年間で360万円を積み立てました。運用期間が倍になることで、最終的な資産額は約467万円と大きく増え、利益は107万円となっています。期間が倍になることで、利益も大きくなっているのがわかります。
Cさん(積立期間15年)
Cさんは15年間で540万円を積み立てましたが、最終的な資産は約792万円となり、利益は約253万円となります。ここまで来ると、複利効果がより顕著に表れ始め、積立額に対しての利益が大きくなっているのがわかります。
Dさん(積立期間20年)
Dさんは20年間で720万円を積み立てましたが、最終的には約1,186万円の資産に成長しました。利益は約466万円となり、複利の力が一層強くなってきます。このあたりから、元本に対して利益が急激に大きくなってくることがわかります。
Eさん(積立期間30年)
Eさんは30年間で1,080万円を積み立てました。最終的な資産額は驚くべき約2,360万円となり、利益は1,280万円を超えています。30年間の運用により、元本に対して得られる利益は非常に大きく、複利の強力さがはっきりと現れます。
4. 積立期間が長いほど有利な理由
今回のシミュレーションから明らかなように、複利効果は時間が経つにつれてその威力を増します。これは、元本が増えるだけでなく、その元本に基づく利益も増えていくためです。つまり、運用期間が長ければ長いほど、最終的に得られる利益が大きくなります。
特に、最初の10年や20年ではそこまで大きな利益が得られなくても、30年近く続けることで資産が急激に増加します。これが「複利の魔力」と呼ばれる所以です。
5. 複利を最大限に活かすためのポイント
① 早めに始める
複利効果を最大限に活かすためには、早く始めることが重要です。できるだけ若いうちから積み立てを始めることで、長期間の運用が可能になり、結果的に複利効果が大きくなります。
② 長期運用を意識する
短期間での成果を求めず、長期的な視点で運用することが複利効果を活かす鍵です。市場の一時的な変動に左右されず、継続的に積み立てを行うことで、最終的には大きな資産を形成できます。
③ 再投資を徹底する
得られた配当や利息はすぐに使わず、再投資することが重要です。これにより、元本が増え、次回の運用でさらに多くの利益を生むことができます。再投資を徹底することで、複利効果を一層引き出せます。
まとめ
今回のシミュレーションで示したように、同じ金額を積み立てても、運用期間が異なると最終的な資産額に大きな違いが生まれます。複利効果を最大限に活かすためには、できるだけ早く始め、長期的に運用することが重要です。今回の5人の例を参考に、複利の力を味方に付けて、将来の資産形成をしっかりと計画しましょう。